/ review / gogai / 2021/05/04

モノ誕生「いまの生活」

水牛くらぶ編集

1990年 晶文社

晶文社といえば、学生時代に読んでいた大型インタビューシリーズが好きでした。たぶんアメリカの元ネタとなるシリーズがあったような。(特に「子供!」は、わたしと同じ団塊ジュニア世代と思われる子どもがインタビューされているので興味深かったです。)その一連の流れの本で大人になっても繰り返し読んでいるのは、今回紹介する1990年バブルのころに刊行された「モノ誕生」。水牛くらぶが編集しています。内容もさることながら、デザインもとてもすてき。(ちなみに今も「水牛」というウェブサイトあって、更新をいつも楽しみにしています。文字中心というのも、私好み!・・・すこしはなしが逸れてしまいました。)

高度成長期にものすごい勢いで変わってしまった昔のくらし。その検証のために、60年代から90年までの“衣食住道具”を中心に、当時の「新しい暮らしの提案者たち」がどう考えていたか知ることができます。それだけではなく、誌面の1/4にコメンテーターと水牛くらぶの人たちが雑談のようなそのときリアルに感じたことをお喋りしています。それが一緒に井戸端会議に参加しているような面白さ。なんせ663ページもある辞典のような本なので、その日の気分でぱらぱらと興味気ままに読めるのもいいのです。

刊行されてからすでに30年ほどたつので、90年の最新もかなり隔世の感があります。暮らしの様々なことって文書化されないと忘れてしまったりしてしまうので、とても貴重な資料だと思います。30年前は、もちろんお茶の間にパソコンはなかったし、ましてやスマートフォンは一般的にはまだ出現していません。こんなにデジタルが一般的に普及する世の中が来るなんて、当時は想像できなかったような。最近、ウェブやSNSがなかった時代に、どう時間を過ごしていたのかなと考えることがあります。なんかすっかり忘れてしまってどう過ごしていたか思い出せないのです。日記を書くタイプだったら、手がかりがあるかもしれませんが。

「どう暮らすか?」「今の暮らしはどのような土台の上に移り変わってきたのか?そもそもそれは良いことなのか?」「便利とか進歩とかの副作用」家事や家政といった暮らしにまつわること並々ならぬ関心を抱き、日々疑問をもって考えているわたしにとっては、なにか道しるべのようなヒントになるような本なのです。とはいっても、堅苦しいものではないですよ。

 

/ma/

 

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