/ audio fruits / issue 01 / 2021/03/26
きっかけは突然に
聴いたことがない知らないすてきな音楽を探すために、レコードやCDを買うことにお金を費やしても、それを聴く音響機材に気を配ることはなかった。ずっと。(そもそも、気を配るという意識すら頭になかった。)
オーディオって車や時計趣味と一緒で、わたしにとってまったく関係ない世界だと思っていた。音楽を聴くことは大好きだったのに。音楽収集とオーディオはまったくつながっていなかった。中学生のとき、家電量販店で進められたミニコンポをずっと使い続けていた。それで十分だと思っていた。あるきっかけまでは。
「フルレンジ」といわれるタイプのスピーカーで音を聴く機会があった。今まで地味だと思っていたり、名盤といわれているけど分からないなと思っていた音楽が、急に自分の心まで響いてきた。
気付かなかった細かい音の息遣いやニュアンス。繊細な機微。再生方法って大事なんだな。こんな深い味わい知らずに、なんだか損していた気分。
それでも、心地よい音を聴く楽しさは知ったところで、実際は何を揃えたらいいかも検討がつかない。ネットで調べてもなんだか難しい。(というか偏見と専門用語に対する拒絶反応で読む気がしない。)量販店のオーディオコーナーに行ってもなんか気分が高揚しない。あとは・・・どこに探しに行ったらいいのだろう。それもわからない。
いくら音が良くても、デザインが好みじゃなかったら部屋に置きたくない。存在感がありすぎたり、掃除するのに動かすにも大変なものは嫌。暮らしのなかで、気軽に聴きたい。・・・そもそも、スピーカーを鳴らすには何が必要なの?
そんなわたしのような人のためにも。そうじゃない人のためにも。分かりやすいオーディオ入門があればいいなと思い、この連載を始める次第です。
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